N° 003 / BUYING QUESTION
Macのメモリ選びをモデルサイズだけで決めない
モデル、context、runtime、開発環境が同じメモリを使う前提で、購入前に確認すべき問いを整理します。
Local AIを前提にMacを選ぶとき、最初に気になるのはメモリ容量です。モデルファイルの大きさは分かりやすい目安ですが、それだけで必要容量を決めると、実際の作業環境との差を見落とします。
Coding Agentを動かすMacでは、モデルだけがメモリを使うわけではありません。OS、runtime、context、KV cache、エディタ、ブラウザ、コンテナ、テストプロセスが同時に動きます。モデルがロードできる最小条件と、日常作業を安定して続けられる条件は分けて考える必要があります。
容量を使うものを分ける
購入前の問いは、次のように分解できます。
- 使いたいモデルと量子化は何か
- どれだけ長いコードや会話をcontextへ入れるか
- runtimeや並列度をどう設定するか
- エディタ、ブラウザ、Dockerなどを同時に使うか
- 速度低下やメモリ圧縮をどこまで許容するか
- 数年後に大きなモデルへ移る余地をどれだけ残すか
同じ「モデルが動く」でも、他のアプリを閉じれば動く状態と、普段の開発環境のまま安定する状態では購入判断が変わります。
最小・実用・余裕を分ける
へつほつの検証では、単一の推奨容量を出す前に三つの境界を探します。
- 最小: モデルとタスクを起動できる容量
- 実用: 開発環境と並行してタスクを繰り返せる容量
- 余裕: contextやモデルを広げても運用を続けやすい容量
この区別があれば、予算を抑えたい人と、長く余裕を持って使いたい人へ同じ答えを押しつけずに済みます。
推奨は実測の後に出す
現段階では特定容量をおすすめしません。基準機でメモリ使用量、処理時間、失敗、他アプリとの並行動作を記録した後、用途別に条件を示します。
高い構成を選べば常に正解、という結論にもしたくありません。Local AIをほとんど使わない場合や、小さなモデルで目的を満たせる場合は、余分な費用が利益を生まないからです。検証の目的は最大構成を薦めることではなく、必要十分な境界を見つけることです。